国境や言語に邪魔されないライフスタイルがテーマの「井の外かわず」ですが、海外生活に慣れないうちは周りに流されてしまうことが多々あります。
オーストラリアでも、「こうしたほうがいいよ!」といってくるおせっかいな人は沢山いて、おせっかいは時に嬉しいけれども毎回聞いていると疲れてしまうし、流されすぎて自分を見失うこともある。
今回は「海外でもまわりに流されず自分らしく生きる方法」をテーマに、ドイツでライターをされており、「ドイツ発 雨宮の迷走ニュース」というブログを運営している雨宮さんに寄稿して頂きました。
いろいろな問題に鋭く切り込んでいく彼女の文章は、読み応えがあって気持ちがいいです。
それでは以下、記事本題になります。
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1, 自信がないとまわりに流される
2, 海外でも自分らしく生きよう
・ 自分についてよく考える
・ 他人の言う事は適当に聞いておく
・ あなたの人生はあなたのものです
3, 人生は自分らしく楽しもう
こんにちは、縁あって寄稿させていただくことになった雨宮です。ドイツで留学、ワーホリ、大学に入学という過程を経て、現在フリーライターをしています。
気がつけばドイツ生活も2年半……。あっという間でした。
楽しいことももちろんいっぱいありましたが、つらいことの方が多かったと思います。そして何度も挫折を繰り返す中で学んだのは、「他人に振り回されちゃいけない」ということ。
海外だと、多くの日本人はまわりの空気に流されてしまいます。でもそれではわたしのように苦労してしまうでしょう。海外で生活するのなら、まわりに流されない「強さ」が必要です。
自信がないとまわりに流される
実はわたし、留学中「自分はドイツ語話せるし、ほかの日本人よりドイツのことわかってるもん♪」と調子に乗っていたんですね。
留学中は「留学生」という盾があったんですが、ワーホリ、大学生を経験して、その自信は見事に砕け散りました。自信があったドイツ語での接客でお客さんにため息をつかれたり、大学のグループワークを拒否されたりしました。「あれ、わたし出来る子だったのに、なんでいまできないんだろう!?」と焦りました。
そういうことが何度か起きて、「わたしなんかなんの価値もないんだ……」と落ち込むほどの挫折を経験しました。
挫折するとどうなるか。
自分の能力や考えに自信が持てなくなって、自分で判断できなくなるんですよね。「こう思うけど、まちがってるかも」「わたしなんかがやったって……」と卑屈な考えになってしまう。
そうするとなにが困るって、他人に流されてしまうんですよね。
わたしがいるドイツは議論がさかんな国で、ほかの人に結構いろいろと口出しされます。「こうした方がいい」「君はこっちが合ってるんじゃないか」などとわりと踏み込んだことを言われます。
自信がないときにそういわれると、「あ、そうした方がいいんだ……」と納得してしまいまった経験はありませんか? 特に日本人は欧米人の押しの強さに負けることも多いでしょう。「こっちの方が絶対おいしいから食べてみなよ!」と言われて断りきれず、嫌いなマッシュルームを食べたこともありました。
海外でも自分らしく生きよう
「言われなくてもわかってるよ?」という人もまぁ聞いてください。
日本人の中では相当意見をはっきり言うタイプのわたしですら、ドイツでは自分の意見を言えずにまわりに流されたんです。空気を読む日本人が、自己主張する海外で堂々としているのは本当にむずかしいことなんです。
友達や家族と離れての海外生活。なかなか理想どおりにはいきません。「どうしたらいいんだろう」と悩み、人に流されてしまう人もいるんじゃないかと思います。
そんな人のために、同じ経験をしたわたしが「こう考えればよかったんだ!」と思う3つの考え方を紹介します。
自分についてよく考える
自分に自信を持てず、自分のことをわかっていないから、「どうしたらいいんだろう」と思ってしまうんです。人に流されないためには、自分をしっかりと理解しないといけません。
まず、自分の道をよく考えましょう。他人に流される人は、「自分の進む道、向かっている方向」がよくわかっていないんだと思います。だから他人の目指している方向へふらふらと迷い込んでしまう。
自分はどこに向かい、どう進むのか、というのをしっかり頭に入れていないと、ほかの人に地図を描かれ、その通りに歩んでしまいます。それはあなたの人生ではありません。
自分はどう考えて、どういう道を通ってどこに行くのか。これがちゃんとわかっていなければ、まわりの雰囲気にのまれてしまいます。
あなたの夢や目標、それに到達する道筋は、決してブレてはいけません。
そして、能力や実績をよく考えましょう。なにができるかは、人それぞれです。ドイツ語ができるけど英語ができなかったり、料理は得意だけど計算が苦手だったり。みんな得手不得手がちがいます。
あなたができること、できないことは、あなた自身のことです。たとえばドイツ語のネイティブに、「君のドイツ語は上手だから大丈夫だよ」と言われても、「大丈夫じゃないから困ってんだ!」と思ったことがありました。
あなたはなにが出来ますか? なにが出来ませんか? それをしっかり頭に入れておかないと、他人のアドバイスを鵜呑みにして、まちがえた道に進んでいってしまうでしょう。
ひとそれぞれ、ちがう人生を歩んでいます。豊かな人生を歩んでいる人の後を追っても、考え方も能力もちがうあなたが成功できるとはかぎりません。自分の道は自分で切り開くしかないのです。
まわりに流されずにいるためにまず必要なのは、自分について理解すること。自分の進んでいる道に自信が持てないのなら、もう一度自分についてよく考えてみませんか?
他人の言うことは適当に聞いておく
なにか選択をするとき、「この人の顔を立てなきゃ」「今断ったら気まずくなるかも」と、他人を優先させることもあるでしょう。日本人が特に気にする部分です。
でもそのときは良くても、長い目で見たらどうでしょう。他人のための選択は、あなたにいいものをもたらしますか?
多くの場合、他人のアドバイスや発言は無責任なものです。なんなら言ったことを忘れてることだってあります。ちがう文化背景の人に、「こうすべき」と言われても、日本人としては「ちょっとちがうなぁ」と思うこともあるでしょう。
その程度の発言に影響されてたら、正直疲れちゃいます。いい意味で真に受けない「適当さ」が大切です。
正直ドイツの人は人の人生にかなり口を出してくるので、毎回本気で聞いていたら混乱すると思います。実際わたしがそうでした。まわりに流されるのは、まわりに気をとられすぎているからです。ある程度適当に聞き流す意識を持ちましょう。決断するのは、あなたなんですから。
あなたの人生はあなたのものです
流される人って、「自分と他人」をはっきり分けられないタイプだと思うんです。本来他人がいくら「こうした方がいい」と言っても、それは所詮他人。自分じゃありません。たとえ言われたとおりにして失敗しても、その人が責任を取る必要はないんです。
そう思うと、他人に影響を受けすぎるのはバカらしいと思いませんか? 相手は100%本気じゃないんですよ。
ドイツは議論が正義、みたいなところがあって、自分に関係ないテーマでもびっくりするぐらい熱く議論したりします。わたしが「どうしようか迷っている」と言えば、「こうすべきだ!」と返ってきます。
で、毎回その熱意に押されて、「ああ、そっか。そうすべきなんだ」と納得しちゃうんですよね。それだとその人の考えに流されちゃいます。相手が本当にわたしのことを思って言ってくれているのかもわからないのに。
役に立つ意見は受け入れるべきですが、自分の人生は自分のものです。他人の考えをむやみに受け入れていたら、自分の人生じゃなくなっちゃいます。よそはよそです。
他の国の事情はわかりませんが、外国では少なくとも日本より人の考えに踏み込んで反論したり、強い言い方をする人が多いでしょう。ですがあなたは日本人であって、ムリに他の人たちに合わせる必要はありません。その国の文化や考え方を大切にすることは必要ですが、あなたはあなたで堂々としていればいいだけです。
他人はあくまで他人であって、あなたは自分の人生を生きなくてはいけません。
人生は、自分らしく楽しもう
海外だけに関わらず、どこにいたって人生は楽しいほうがいいに決まってますよね。
楽しむためには、自分らしくいる必要があります。他人が敷いたレールの上を歩いていても、楽しくないですもん。だからまわりに流されず、堂々としている必要があります。
海外っていうのは、日本人にとって「堂々と自分らしく」することがむずかしい環境が多いでしょう。欧米の人の押しって強いですからね……。
でも、だからこそ、自分の人生は、ちゃんと自分で決めていかなきゃもったいないです。人に決めてもらっていたら、将来「あの人のせいで……」って恨んじゃいますよ。あなたの人生ですから、あなたが決めないといけないんです。
自信がなく、他人に人生を決めてもらいたいときがあるかもしれません。海外ではなおさら「自分はどうすればいいんだろう」と思うでしょう。自分では正解がわからず、他人に示されたゴールを目指したくなるかもしれません。
でも、それはあなたの人生じゃないはずです。進んだ先は、「あなたの成功」ではありません。
あなたは堂々と、自分の道を目指せばいいんです。海外だからって縮こまったり、まわりに流されることなく、自分らしく生きていきましょう。
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いかがでしたか?
オーストラリアに限らず、ドイツでも他人に口出ししてくる人は多いのですね。
ただ外国でのおせっかいなアドバイスって、相手が流されない前提で言っている事が多いんですよね。こんな考え方もある、こんな方法もあるから自分の軸がブレない範囲でやってみれば?というスタンスです。
自分の軸がある状態で他人のアドバイスなども聞けるようになると、第3者の視点が加わってよりよい方向に進める事もありますが、そうなるためにはやはりしっかり自分の事をよく知っている事。
雨宮さんの記事であった3つの方法を試しながら、どこにいても自分の軸を持って流されずに自分らしく生きて行けると楽しいですね。
雨宮さんの「ドイツ発 雨宮の迷走ニュース」
雨宮さんの運営されているブログ「ドイツ発 雨宮の迷走ニュース」は、ドイツの生活事情や海外からみた日本の姿などが、雨宮さんらしい鋭い切り口で切り取られています。
これからドイツでの海外生活を考えている方だけではなく、海外生活を考えている人や「海外から見た日本」を見たい人にとっても面白いブログですので、是非覗いてください!
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