読書好きに送る「宿命の本」との出会い方

本屋に行くと、買うつもりではなかったのになぜかとっても惹かれて買ってしまい、読んでみたら内容も今の自分に必要なことばかりで、もう出会うべくして出会ったんだ、というような本に出会った事はありますか?

 

人に薦められた本よりも、そうやって偶然見つけた本で素敵な本があったほうが何倍も得をした気持ちになるのはどうしてなんでしょうね。

 

私は電子書籍だとどうしても最後まで集中して読めなくて、やっぱりまだ紙の本が好きなんです。便利だし、1年おきくらいに引っ越している私は荷物を常に少なくしておかなくてはいけないのにどうしてかな、ってずっと思っていたのですが、ある本を読んでいて深く納得しました。

 

私にとって本を読むという行為は、効率とか役立つというのとは全く逆の行為なんです。

 

だから、本はスキルの取得や役に立つものしか読まない!という人や、紙の本なんて時代遅れでしょ、Kindle大好き!という方にはこの記事で言おうとしていることは、よくわからないかもしれません。

 

なんで電子書籍じゃダメなのか

この本の作者は、電子書籍というアイディアは「この日までに、この量の情報を頭につめこまなければならない」というのを読書のデフォルトとして生まれた、と考えています。

 

確かに、アメリカに限らずオーストラリアの大学でも一週間でもの凄い量を読まされるから、そういう環境では電子書籍ってとても便利なんです。

 

でも、電子書籍の「この情報が必要だからください」というモデルだと、消費者が商品を買うのとなんら変わりない。

読者はいわゆる消費者じゃありません。消費者はある意味もっとずっと攻撃的です。

わずかでも費用対効果のよい商品を発見しようと血眼になっている。でも、書店を遊弋している人はそんなギラギラしていません。 (p. 76)

本と目が合う

読書好きのひとならば、冒頭に上げたような「本と目が合う」という経験をしたことがあるかと思います。

 

別にその本を探しに行ったわけではないのに、何となく目が吸い寄せられて、パラパラめくってみたら自分のために書かれたんだと思うほどしっくりきた!という感覚。

 

私はそういう本に出会うと嬉しくて本を読みながら泣いたり笑ったりしてしまいます。

 

ただ電子書籍の場合はその購入システムがゆえに「宿命の本」とは出会わないんです。だってあらかじめ何を読みたいのか決まっていて自分で探しに行きますよね?

 

関連して出てくる「他の人はこれも買っています」は、システムが自分の読む本の傾向や他人との傾向を分析して、やっぱりそのシステムからの「オススメ」であって自分から見つけにいったわけではないんです。

 

宿命の本と出会うには、本からこちらを見つけてもらわなくてはならない。じゃないと「出会うべくして出会った」物語が成立しないんです。

 

私は本屋にいくと、興奮してしまって便意を催すんです。必ず。しかも、日本語の本じゃなくても、日本以外の本屋さんでも、そうなんです。香港でもイギリスでもシドニーでも、本屋に行くと必ず。

 

これ私だけではないんですよ。「興奮 便意」で検索するとそういう人がいっぱいいるみたいです。

 

話がそれてしまいましたが、やっぱり本屋をなんとなくブラブラして、本からの送られてくるシグナルを感じとれることが「宿命の本」に出会える唯一の方法なのではないかと思います。

 

最後に本の紹介-この本と宿命の出会いをしたかったら読まないでね

ここで本の紹介をすることで、この本が誰かにとっての「宿命の本」になることを奪ってしまうのですが、引用しっぱなしという訳にも行かないので書いておきます。でも良い本だからオススメしたい…今ものすごく悩んでいます。嫌だ!みたくない!という人はこれ以上読まないでくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今日ご紹介した本は内田樹さん著の「街場の文体論」でした。

私は内田さんの「街場シリーズ」がとっても好きで、普段の生活では絶対出会わないような難しい考え方も、「いるいる!そういう人」「あるある!そういうこと」というような感じで誰にでも分かるように、しかもおもしろく説明してくれるんです。

しかも「文体論」。パラパラっとめくってこの文章が目に飛び込んで来た時に「ぐっさー」と心臓にナイフを突き立てられたような気分になりました。

個性は出したい。でも悪目立ちしたくない。その二つが葛藤してどっちつかずのものになっている。

それが一番つまらない文章の書き方なんです。

-内田樹「街場の文体論」(p. 35)文藝春秋

私のことだー!と思いました。私のブログのことだー!って。で、「先生!おしえてください!私に面白い文章の書き方を!」と思って衝動買いしたんです。まさに「本と目があった」瞬間でした。

 

あなたは最近「宿命の本」と出会いましたか?

シドニーでの毎日
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